Arturia社のBeatstepをチェックレビューしてみたいと思います。iPadに合うMIDIパッドコントローラーとして、以前AKAIのMPDシリーズをレビューしてみましたが、ArturiaのBeatstepは、パッドの並びが8×2となっていて、いわゆる16パッドの製品とは方向性の違うコントローラーだと思います。
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Arturia Beatstep、多彩な機能
Arturia Beatstepは、多機能な構成になっています。機能をまとめると、①ドラムパッド、②16ステップシーケンサー、③MIDI/USB/CV/Gateコントローラーが備わっています。
ドラムパッドは、ベロシティ/プレッシャーセンスが備わっているため、ドラム音源をパッドにアサインすればAKAIのMPCシリーズのようなリズムを打ち込むことができます。16個もあるツマミにEQやフィルターをアサインすれば、リアルタイム演奏でも面白いことができると思います。
シーケンサーは、音源をパッドでアサインするようです。左の再生ボタンを押すと、左上のパッドから順番に光りが点灯し、鳴らすパッドをタップするだけでリズムを組むことができます。
シーケンスを組む場合は、AKAIの4×4の並びよりも、8×2の並びのほうがわかりやすいかもしれません。テンポは左上の大型ツマミで切り替え、右の16個のツマミで、音階を調整します。大変シンプルでわかりやすい構成になっていると思います。
ドラムパッドモードとシーケンサーモードはボタン一つで切り替えられます。パッドが赤くなるとドラムパッドモード、青くなるとシーケンサーモードになるので、わかりやすい設計だと思います。
CV/gateが使えるArturia Beatstep
Arturiaといえば、MOOGシンセをソフト化したMoog Modular Vが有名ですが、アナログシンセには力を入れています。そのあたりの思想はArturia Beatstepにも活かされていて、MIDIがないような古いアナログシンセを接続することができます。最近のMIDIコントローラーとしては画期的なことだと思います。
また、CV/gateだけでなく、MIDIもUSBも接続できます。USBを使えば、当然ながらカメラコネクションキットでiPadも接続できます。
驚異的!同時に使えるArturia Beatstep
Arturia BeatstepがすごいMIDIコントロラーだと思ったのは、なんと、CV/gate、MIDI、USBが同時に使えてしまいます。この手の製品でありがちなのですが、一個接続してしまうと、排他的に他の接続は切られてしまうのが残念だったりします。
Arturia Beatstepは、様々な組み合わせに対応しているそうで、例えばシーケンサーの命令で、CV/gate経由でアナログシンセを鳴らし、USBで接続したPCよりソフトシンセをパッドを叩いて鳴らす、みたいなことができてしまうそうです。
接続端子は
- ミニ USB I/O (スタンドアロンオペレーション時のDC入力としても使用可能)
- 3.5mm MIDI アウトプット
- 3.5mm CV & Gate アウトプット
が備わってます。また、PCやiPadに接続しなくても単体だけでも動作します。
Arturia Beatstepの付属ソフト
Arturia Beatstepには、MIDI CONTROL CENTERという設定ソフトが付属しています。ハードウェアを模した見た目なので、PC画面上で簡単に設定できそうです。
Arturia Beatstepの外観とサイズ・重量
Arturia Beatstepのデザインは、実験機器的な、白とグレーに、アクセントとして水色が入っているようなカラーリングで、見た目もかっこいいです。
パッドは光るようですが、ムービーを見た感じではイメージ画像ほど光ってはなさそうです(笑)。
Arturia Beatstepのサイズは32.7cm×27cmで、重量は900gです。軽量ノートPCと同じぐらいなので、持ち運びに苦労することはないと思います。
Arturia Beatstepのまとめ
Arturia Beatstepはドラムマシン寄り、というよりも、やはりどちらかといえばステップシーケンサー寄りな製品だと思います。ソフトシンセだけでなく、アナログシンセも操作できてしまう優秀なシーケンサーです。
単体でも動作するので、アナログシンセを中心にした構成でも楽しめると思います。
Arturia Beatstepは、価格もだいぶこなれてきているようなので、ソフト/ハード/アナログ/デジタルの垣根を軽〜く取り払ってくれる優秀なコントローラーとして、気軽に一台ゲットしても損はしないんじゃないか?と思います。