DTM比較ナビ

【実機レビュー音つき】タダでゲットしたオービルレスポールを改造!Gibson 57 Classicピックアップとビンテージコンデンサーで好みの音作り(ヒスコレ比較あり)。

オービルレスポールは突然やってくる〜改造前夜〜

突然オービルレスポールを譲り受けることになり、ネックの修理からGibson 57 Classicピックアップ搭載、ボリュームポット、トーン、コンデンサーの交換まで、一通りオービルレスポールを改造して、どれぐらい音の変化が得られるか試してみました。

「俺、ギターやってるんすよ」
「じゃあ、いる?レスポール」
「マジっすか、もらえるならぜひ」
「弾く人の手元に置いたほうがいいでしょ」
「20年ぐらい弦変えてないけど」
(なんとかなるか、うわっ汚ねー)

てな具合で、タダでオービルレスポールを手に入れたものの、ネックポジションは禿げて取れてしまってるし、長年の手垢が詰まった指板に錆びたフレット、ヤニでくすんだプラスチックパーツと、これは果たしてマトモに鳴るのか?

Contents

オービルレスポール、とりあえず鳴るか確認

ひとまず弦を張り替えてオービルレスポールをとりあえずアンプに通してみると、鳴ることは分かったが、ボリュームポットが壊れているせいか、つまみのひねり具合によって音が出ない。

ネックの反りは特に無し。6弦の9フレットが若干潰れてるので、すり合わせが必要か。

オービルレスポールの型番は「LPS75-VS」だそうで、中古で5〜7万と言ったところ。タバコサンバーストが綺麗。オービルレスポールには「by Gibson」印とそうでないものがあるそうで、これは無しの廉価版モデルみたい。「by Gibson」だと、ギブソンのピックアップが搭載されているとか。

あまり詳しくないので適当にネットで情報を漁ってみつつ、どこまで手をかけて投資するか、改造ポイントを自分なりに調べていく。

オービルレスポールのネックをなんとかする

このレスポール、長年ソフトケースに放置されていたからか、ポジションマークとナットのほとんどが剥がれ落ちてしまっていた。

ネットの情報を頼りに木工用ボンドで固めた後、ヤスリがけ。ポジションマークがマホガニーネックに馴染むまで削った後は、手垢がびっしりこびりついた指板をウェットティッシュで磨き、最後はレモンオイルをクロスに薄くつけてさらに磨く。

フェルナンデス WCS ナチュラルレモンオイル

まあ、ギターとして「使える」までには戻すことができた。

オービルレスポール改造の重要パーツ、Gibson 57 Classicピックアップとビンテージコンデンサー

とりあえずネックの修理と掃除が完了したところで、電気周りのパーツをピックアップ。

廉価モデルのジャパンビンテージにどこまで投資するか迷ったが、ピックアップは定評のあるGibson 57 ClassicSeymour Duncan AntiqueityBare Knuckle MuleGibson BURST BUCKERをYoutubeで比較。

私は、出力の弱いピックアップの方がギターの味が出やすいので好み。そこで抵抗値が7.4~8.5kと、一番しっくりきたGibson 57 Classicをチョイス。

コンデンサーは、有名どころでSPRAGUEのBumble-BeeBLACK BEAUTYOrange DropVitamin Qコーネルダブラーなど色々あり、本来ならここでビンテージレスポールカスタムにも搭載されているBlack Beautyを投入したいところだが、たかだかコンデンサーのくせに高価すぎるので、ひとまず60年代ビンテージの0.022u 200V SPRAGUE Vitamin Qをチョイス。これで満足しなかったらビンテージのBlack Beauty(レプリカはちょっと微妙・・・)に変更しようと思う。

個人的に、エレキギターの音の大半を決めるのはコンデンサーだと思っていて、コンデンサーにはとことんこだわりたいところだが、タダで手に入れたギターにあまり予算はかけたくない。

ハムバッカーに搭載するコンデンサーは0.022u 400Vが標準だそうで、200V仕様だとちょっとだけ安い。ボリュームポットも500KΩと、ストラトの数値と少々勝手が違う。

オービルレスポールの電装周りを一気に改造

amazonやらサウンドハウスでパーツ一式を揃えた後、一気に組み込む。各パーツは一体誰がいつ決めたのか(リペア屋?)、定番アイテムで揃える。

オービルレスポールは当然ながらインチではなく「ミリ規格」なので、ポットは「ミリ規格」を買わないと、穴を拡張しないといけない。

ミリとインチの違いでこれまでストラトの改造で困ってきたので、その辺りは抜かりなく事前にチェック。ポットの軸の長さにも注意。このレスポールの場合、標準サイズの軸で問題なく固定できた。

ジャパンビンテージ、オービルレスポールにノイズ対策は必要か?

エレキギターのノイズ対策は定番の工作で、誘電塗料とフタをアルミで電気パーツをシールドするとノイズが大幅に減るのもの、ハイが落ちるとかデメリットもある。

私の場合、ぶっちゃけ、優秀なノイズゲートを買ってしまったので、ノイズ対策はがっつりしなくてもいい。

ISP Technologies Decimator II String Noise Reduction

これがあれば、誘電塗料やアルミ張りなど不要なくらい性能がいい。しかし、毎回エフェクターボードに繋ぐのが手間だ、というものぐさ野郎なだけで、今回は誘電塗料でノイズ対策を行った。


Freedom Custom Guitar Research SP-D-01 Noise Hell

なんせ、タダで貰ったギターなので、気兼ねなく改造できる。。。誘電塗料の塗りも、どうせ見えないから〜、と結構雑。

誘電塗料を塗ったりはんだづけをやったり、ギターの改造をやってると、毎回「なんで俺はギターも弾かずにこんな事ばかりやってるのか!?」と途中で後悔するのだが、完成した後の音は必ずよくなっているので、最後にアンプを通して鳴らした時には、ネガティブな気持ちは大体飛んでいる。

そんな具合で完成。

(質素すぎる改造前。これじゃいい音は出ない・・・。)

(完成。なかなかの風格。)

オービルレスポールの音を比較

改造前

https://dtmnavi.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/orville.mp3?_=1

改造後

https://dtmnavi.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/orville_re.mp3?_=2

参考:ヒスコレ

https://dtmnavi.tokyo/wp-content/uploads/2019/05/historic59.mp3?_=3

このギターの特性なのか、このレスポールはクリーンでもすぐ歪むところはあまり変わらないが、改造後は「音の張り」感がぜんぜん違う。

改造前も音はそんなに悪くはないが、歪ませるとなんとなく音が軽い。「ボワー」って感じが全く違う。ピックアップとコンデンサーの効果は高い。

ヒスコレはやはり指板の木材の質やパーツの違いを感じる。一音一音の発音がよく、クリーンだと歪まず、歪ませると上品な歪みになる。歪ませると「ボワー」ではなく「グギャー」って感じの音。倍音も多いような。ピックアップはBURST BUCKERに、コンデンサーはBumble-Bee

また、ノイズ対策の効果はかなり高く、ノイズがほぼ出ない。ヒスコレは当然ながらノイズ対策を行なっていない(というか絶対やらない)ので、ノイズはそれなりに発生する。

にしても、今回のオービルレスポールは、Gibson 57 Classicのピックアップの良さがあるものの、特に、ビンテージコンデンサーの効果が凄い。うまく表現できないが、なんというか、CDでよく聴くトーンのかかった「いいレスポール」の音がするようになった。

それに、同じレスポール型ながら音の傾向がまったく違うことには結構驚いた。

オービルレスポール改造まとめ。効果アリ!だが、コスパを意識したパーツ選定を!

今回のオービルレスポールの改造にかかった費用はトータル3万5000円ぐらい。タダでもらったギターとはいえ、結構な出費になってしまった。結構いい音になったので、次のライブに投入する予定。

オービルレスポールも良く言えばジャパンビンテージ、悪く言えば中古ギターににどこまでコストをかけるか。

結論:2〜3万程度の投資は明らかに効果がある!

音の分離感は木材の質や塗装の品質によるが、ピックアップとコンデンサー、特に低価格帯のギターは、ピックアップとコンデンサーを変えると音が劇的に変わる。音に厚みとハリが出る。

当たり前な話だけど、木材の質や塗装の品質はさておき、ギターはギターでもやはりレスポールは「エレキギター」なので、電気関係はコスパをそこそこ気にしつつ、定評のあるパーツに変えた方が、ギターを鳴らすときの満足度が高まる。

改造に慣れは必要だけど、個人的に安エレキギターのアッセンブリ変更はおすすめできる改造だと思う。
色々大変でも、やっぱりギターのカスタマイズは楽しい!

Gibson IM57P-NH ハムバッカー 57クラシック
ISP Technologies Decimator II String Noise Reduction
モバイルバージョンを終了