【実機レビュー:音あり】YAMAHA AG03の人気の秘密は○○だった。ミキサーYAMAHA AG03をMG10XU、RME Babyface Pro FSと比較レビュー

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YAMAHA AG03

ヤマハの定番人気ミキサーYAMAHA AG03の比較レビューです。YAMAHA AG03と上位機種のMG10XUやRME BabyfaceProFSと録音比較して、性能比較や用途などレビューをしてみたいと思います。

YAMAHA AG03コスパもよく機能が豊富な小型ミキサーで、サウンドハウスやamazonなどのランキングでも常に上位にあり、人気が伺えます。

YAMAHA AG03は主にウェブキャスティング(ライブ配信)目的で作られているそうですが、DTM的な用途では果たしてどこまで使えるのでしょうか。人気の秘密を探ってみたいと思います。

YAMAHA AG03の特徴

YAMAHA AG03の特徴

YAMAHA AG03は「ウェブキャスティングミキサー」というジャンルで発売されている3チャンネルミキサーで、ミキサーとしての機能のほか、ループバック機能(PCの音声と録音中の音声を組み合わせられる)やUSBオーディオインターフェイスが備わっているのが特徴です。

YAMAHA AG03は主にゲーム実況などWebの番組配信で使用されることが意識されているようです。白くコンパクトな筐体に機能が盛り沢山な中、6cmのアナログのフェーダーが1本備わっているのが快適な操作性を生み出していると思います。

YAMAHA AG03を開封

YAMAHA AG03は小型の箱に収まっています。

YAMAHA AG03を開封

梱包もシンプルで、説明書のほか、USBケーブルなどが含まれています。

YAMAHA AG03を開封2

ACアダプターは別売ですが、USBより電源を供給します。昨今のDTM製品によくある電源供給方式です。

YAMAHA AG03電源部分

YAMAHA AG03の機能

YAMAHA AG03の機能を順番に見ていくと、

YAMAHA AG03の機能説明

左上から入力部、出力部、フェーダーなどボリューム調節部、右下にモニターのボリューム調節部と、省スペースながら機能別にコンパクトにまとめられています。モニターボリューム部が色分けされているのもわかりやすいです。

YAMAHA AG03の機能説明詳細

さらに細かく見ていくと、

入力は

  • モノラル(MIC/LINE):1(ヘッドセットマイク兼)
  • ステレオ(LINE)/ モノ(GUITAR):1
  • USB IN:1
  • AUX IN:1

出力は

  • MONITOR OUT:2
  • PHONES:2(ヘッドセットヘッドフォン出力兼)

と、アナログミキサーとして理想的なIN/OUTがほぼ全て備わっていると思います。

レベルもピークを表すシグナルが豊富に付いているのでわかりやすいです。

また、左下のフェーダー横にはエフェクターがあり、

  • CH1: COMP/EQ, EFFECT(SPX リバーブ)
  • CH2: COMP/EQ, EFFECT, AMP SIM

と、音のソースがマイク系と楽器系で異なるエフェクターが搭載されています。そして、エフェクターは後述するAG DSP Controllerで全て制御するようになっています。

YAMAHA AG03の仕様

YAMAHA AG03のスペックは、192kHz/24bitと、最近のオーディオインターフェイスでは標準スペックです。また、SN比については公式サイトに記載がありませんでした。

YAMAHA AG03はCubase AIが付属

YAMAHA AG03にはCubase AIが付属しているので、PCがあればすぐに音作りを始められます。

また、iPad用のCubasis LEにも対応しています。このあたりは最近のDTMオーディオインターフェイス系機材では定番の構成かと思います。

YAMAHA AG03に付属するAG DSP Controllerが強力

YAMAHA AG03にはAG DSP Controllerという、取り込んだ時の音を加工できるソフトが付属しています。

YAMAHA AG03専用のAG DSP Controller

AG DSP Controllerの機能は

  • コンプレッサー
  • イコライザー
  • ディレイやリバーブ
  • ギターアンプシミュレーター

と本格的です。機能が豊富で、ちょっと初心者では使いこなせないほど充実していると思います。

今回比較対象として用意したYAMAHA MG10XUでは、ミキサー上にエフェクトが備わっています。

YAMAHA MG10XUのエフェクト部分

実際にAG DSP Controllerを使って、エレキギターを録音した時の音はこんな感じです。

YAMAHA AG03の音をYAMAHA MG10XUとRME BabyfaceProFSで比較

YAMAHA AG03とアコースティックギターとベース

YAMAHA AG03を使って、アコギとベースを録音してみました。アコギはコンデンサーマイク経由で直接、ベースはダイナミックマイクでアンプスピーカーより録音しています。最後にドラムループとミックスして、YAMAHA AG03、YAMAHA MG10XU、RME BabyfaceProFSでそれぞれ比較しています。

アコギを録音

順番にアコギから録音してみます。使用マイクはaudio-technica AT2020です。

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YAMAHA AG03でアコギを録音

YAMAHA AG03でアコギを録音

YAMAHA AG03はコンパクトながらファンタム音源に対応しているので、コンデンサーマイクも使用できます。

YAMAHA MG10XUでアコギを録音

YAMAHA MG10XUでアコギを録音

YAMAHA MG10XUでも同じく、コンデンサーマイクを使用する場合はファンタム電源をONにします。

YAMAHA MG10XUのファンタム電源

YAMAHA MG10XUもYAMAHA AG03同様、24bit/192kHzに対応しています。

YAMAHA MG10XUも24bit/192kHzに対応
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RME BabyfaceProFSでアコギを録音

RME BabyfaceProFSの場合、ファンタム(かすかな、お化けのような、という意味)電源のON/OFFはソフトで切り替えます。

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RME BabyfaceProFSでは音の分離感、弦のツヤ感がありますが、YAMAHA AG03は中域に音が寄っている印象を受けました。YAMAHA MG10XUは特にエフェクターをかけていませんが、リバーブが乗っている印象があります。

同じメーカーとはいえ、YAMAHA MG10XUは空間を広く捉え、YAMAHA AG03は音の中心を強く捉えているように思います。YAMAHA AG03は元々中域を厚めに味付けされているのかもしれません。

ベースを録音

ベースを録音

今度はベースを録音してみます。マイクはAUDIX i5を使用しています。

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YAMAHA AG03でベースを録音

YAMAHA MG10XUでベースを録音

RME BabyfaceProFSでベースを録音

YAMAHA AG03とRME BabyfaceProFSではアコギほどの違いは現れないものの、音の分離感に差を感じました。YAMAHA AG03は音が真ん中に寄っている印象を受けます。また、どの録音した音もホワイトノイズが出ています。

録った音をミックス

ドラムを入れて、アコギとベースをミックスさせてみます。

ドラム音源は、バンドアンサンブル系でデモを作るのに使い勝手のいいTOONTRACK EZ DRUMMER 2です。

各音源は一度ノーマライズをかけ、パンとボリューム調整、フェードイン/アウトを加えたのみです。イコライザーやコンプレッサーをかけてないのでまとまりがありません。

YAMAHA AG03

YAMAHA MG10XU

RME BabyfaceProFS

高音質なヘッドホンで聴くと、音の違いを感じられます。YAMAHA AG03は音が中域に寄っているせいか、アコギもベースも籠もっている印象があります。RME BabyfaceProFSの場合、特にアコギの弦の「ツヤ感」、イコライズ処理をしていないものの、ベースの分離感に違いを感じます。

また、YAMAHA AG03とYAMAHA MG10XUを比較すると、メーカーの味付けの傾向があるかもしれませんが、音の「抜け感」に差を感じてしまいます。

当ブログでよく語ってますが、オーディオインターフェイス、ミキサーはアナログ回路の性能が価格差に出てしまうため、YAMAHA AG03とRME BabyfaceProFSを比較するのは少々酷かもしれません。

また、過去に取り上げたシンプルなミキサー、Onyx BlackjackとYAMAHA AG03を比較した場合、メーカー毎の傾向はあると思いますが、Onyx Blackjackの方が音質は優れていると思います。

Mackieのオーディオインターフェイス、Mackie Big Knob Studioをチェックしてみたいと思います。Mackie ...

しかし、YAMAHA AG03は、ミキサー単体で音を作り込む用途として、とても優れていると思います。

YAMAHA AG03のサイズ、外観

YAMAHA AG03のサイズは

  • 縦 20.2cm
  • 横 12.9cm
  • 高さ 6.3cm

です。

本体はメタル製で堅牢、フェーダーやつまみ類はプラスチック製ですが、十分かと思います。

YAMAHA AG03筐体

サイドには放熱用と思われるスリットがあります。

YAMAHA AG03サイド

エンボスでロゴが彫られています。

YAMAHA AG03サイド2

つまみはプラスチック製です。

YAMAHA AG03正面

重量は0.8kgと、iPadProと同じぐらいの重さで片手で持てるぐらいです。逆にYAMAHA AG03は軽すぎるため、接続先の楽器やマイクの重さで飛ばされないように、裏面を両面テープで固定させるなど工夫が必要かもしれません。

電源ボタンは白色LEDで、ボディーカラーと揃ってCOOLです。各種シグナルも暗い場所で十分光ります。

YAMAHA AG03白く光る電源

YAMAHA AG03とYAMAHA MG10XUのサイズ比較

YAMAHA AG03とYAMAHA MG10XUのサイズ比較です。

YAMAHA AG03とYAMAHA MG10XUのサイズ比較

YAMAHA AG03のコンパクトさが目立ちます。

YAMAHA AG03とYAMAHA MG10XUのサイズ比較横

塗装とメタル製のボディーのせいか、YAMAHA AG03もYAMAHA MG10XUもチープな雰囲気はあまり感じません。

YAMAHA AG03とYAMAHA MG10XUのサイズ比較正面

YAMAHA AG03の用途

YAMAHA AG03でレコーディング

YAMAHA AG03の主な用途は、ライブ配信目的以外でも、ボーカルやアコギなどのレコーディングや、AG DSP Controllerを使って、エレキギター、ベース、シンセなどのレコーディングにも使えると思います。

また、ライブやスタジオで、演奏者側の機材をYAMAHA AG03でまとめるような用途のほか、ドラマーが電子パッドを鳴らすような用途でも活用できそうです。

もしライブでPCを持ち込みオーディオインターフェイスを使う時、PC上のアプリのフェーダーでは操作しづらいので、YAMAHA AG03を使ってリアルで操作できると操作ミスを防げるだろうと思います。

YAMAHA AG03まとめ

YAMAHA AG03ビジュアル

YAMAHA AG03をレビューしてみましたが、機能豊富でかつ低価格で、よくこのサイズに収めたと関心しました。

YAMAHA AG03にはウォークマン、幕の内弁当など機能をコンパクトにまとめる日本的DNAを感じます。

また、コストにそのまま反映してしまうだろうアナログ系のIN/OUTの音質を、AG DSP Controllerでソフトの機能を充実させて欠点をカバーしようとする姿勢に、YAMAHA技術の執念めいた意地を感じます。

YAMAHA AG03は入門機以上の魅力があります。価格もそれほど高くないので、DTMユーザーの最初の一台としても、大型ミキサーのサブ機材としてもお勧めできると思います。

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