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【レビュー】SteinbergUR-RT2とUR22mk2比較

UR-RT2

Steinbergの新型オーディオインターフェイスUR-RT2を過去モデルUR22mk2と比較してみたいと思います。UR-RT2はRNDのトランスフォーマーが備わって、価格もUR22mk2と約2倍以上違いますが、果たして、UR-RT2を導入する価値はあるのでしょうか。

UR-RT2の特長

UR-RT2の特長は、何と言ってもRND(Rupert Neve Designs)のトランスフォーマーです。UR-RT2専用に設計されたトランスフォーマーを通すことで、自然な歪みが加わり、音に深みと奥行きが加わる、とあります。

UR-RT2のフロントにあるトランスフォーマースイッチをオンにすると、自然で心地よいサチュレーション感が加わり、RND特有のモダンビンテージな抜けがいい、抜群に存在感のある音で録音可能。だそうです。

トランスフォーマーとは訳すと「変圧器」のことです。交流電力の電圧の高さを電磁誘導を利用して変換する電力機器・電子部品のことで、トランスフォーマーを通すと電気信号が変わると同時に音色も変わってしまうわけです。

UR-RT2の「サチュレーション」って何だ?

ここでさらにツッコミたいのですが、「サチュレーション」とは何でしょうか。某DTM用語辞典によると

飽和する事。 動詞として「サチる」という言い方をする場合もある。 アンプなどでは過剰な入力を入れる事で飽和しひずみを発生する事を言う。 オーバードライブに近い意味だが、オーバードライブよりも音を歪ませるというニュアンスは弱い。 単なるデジタル処理でサチュレーションが発生した場合、ハードクリッピングが発生し、非常に耳障りなひずみ方になるが、真空管を使用したチューブアンプや磁気テープを使用したテープレコーダーではより緩やかなサチュレーション(ソフトサチュレーション)が発生する。単に過入力で波形に歪みが発生するのは望まれない事であるが、この場合は意図的にサチュレーションを発生させる事もある。

サチュレーションをコントロールするための専用の機器としてはテープシミュレータなどもあるが、どちらかと言えばコンプレッサー/リミッターなどを通す事による副次的なサチュレーションを付加するケースが多い。サチュレーション特性を重視したコンプレッサーとしてはPSP audioware の ビンテージ・ウォーマーが一時期流行した。
(引用ここまで)

つまり、簡単に言うと、ギターのオーバードライブエフェクターが超薄くかかるイメージでしょうか!?

ルパートニーヴって何がすごいのさ?

ファッション業界と同じくDTM界隈でも、舶来ブランドモノは多く、結局ルパートニーヴさんは一体何者やねん?と言う感じですが、

とあります。つまり、レコーディングの権威な訳ですね。

どうも白人のインテリ風年配者、ブランドに弱い私ですが、結局最後は自分の耳を信じるしかないのです。かなり強引な意見ですが、ギターのエフェクターを選ぶ感覚で、自分が気にいるかどうかで選んじゃっていいんじゃないかな?と思います。

Youtubeより、音の変化の違いを感じられるような参考動画を集めてきました。

Apogee DuetとRupert Neve Designs 511 Preampsの比較


(0:20あたり)

Portico II Master Buss Processor


(2:49あたり)

(0:25あたり)

(3:44あたり)

ミキシング機材のPortico IIの音のメリハリは凄まじく、ハイファイだと思いますが、511 Preampsは、音がファットになるイメージでしょうか。おそらく、UR-RT2に搭載されたトランスフォーマーも511 Preampsと似たような効果を得られると思います。

UR-RT2の他の部分はUR22mk2と大差ない?マイクプリアンプは?

マイクプリアンプはUR-RT2とUR22mk2もYamahaが開発したD-PREマイクプリアンプが備わっています。マイクプリアンプとは、マイクの音を増幅する役割を担う機器のことです。

Yamahaのデジタルミキサーモノは、音が素直で信頼できます。古くはデジタルミキサーの走り、業界標準の02R、01V(私も過去に導入)と実績があり、まず間違いないと思います。

UR-RT2とUR22mk2のスペック比較

UR-RT2とUR22mk2も低〜中価格帯オーディオインターフェイスで、もはや標準の24bit192kHzに対応しています。もちろんiPadにも対応しています。ソフトはUR-RT2とUR22mk2どちらもCubaseAIとCubasis LE for iPadが付属しているので、モバイル環境にも万全です。

UR-RT2とUR22mk2の外観比較

UR-22mk2は横15.9cm、奥行き15.9cm、高さ4.6cmで1.03kgに対し、UR-RT2は横19.8cm、奥行き20.8cm、高さ4.7cmで1.7kgと、一回り大きく重いです。UR-RT2はMacBookPro13インチぐらいの重量です。

インプット数は、UR-22mk2が2つに対しUR-RT2が4つ、アウトプット数はUR-22mk2、UR-RT2ともに2つ、フォーン端子も同じく1つ、MIDIのIN/OUTも1つづつとなっています。

電源はUR-22mk2ではmicroUSB端子で給電できますが、UR-RT2は電源を補うのはさすがに難しいらしく、12VのAC端子になっています。

また、ボディーはUR-22mk2、UR-RT2どちらもメタルシャーシで頑丈です。また、UR-RT2のインターフェイスは白銀色で、自慢のRNDトランスフォーマーは白色LEDをあしらったボタンと、高級感のあるアルミ削り出しつまみが備わっていて、所有欲をそそります。

UR-RT2を拡張したUR-RT4もある

UR-RT2ではインプットアウトプット数が足りない、という方のために、inputが4つ、RNDトランスフォーマーが4つ、フォーン端子が2つ備わったUR-RT4もあります。

UR-RT2とUR22mk2比較まとめ

UR-RT2とUR22mk2を比較してみましたが、はっきり言ってUR-RT2はRNDトランスフォーマーの有無以外は大した違いはないと思います。

と言うわけで、やはり購入の決め手はRNDトランスフォーマーになります。ギターのオーバードライブエフェクターと同じく、YoutubeでRupert Neve Designsのミキサーでレコーディングされた音を気にいるか否かで、UR-RT2とUR22mk2、どちらにするか決めていいんじゃないかと思います。もしくは、お店で直接RNDトランスフォーマーを使ってレコーディングさせて確かめるか、ですね。

ただ、UR-RT2は、フロントにあるオシャレなRupert Neve Designsのサインと、アルミの高級感溢れるつまみもあるので、ブランドやインテリア的な所有欲(?)を求めるなら、見た目で選んでも全然アリだと思います!

steinberg UR-RT2 オーディオインターフェイス
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