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[レビュー]Universal Audio Apollo Twinレビュー

Universal Audio Apollo Twin

Universal Audio Apollo Twinのレビューです。久しぶりに理想的なオーディオインターフェイスに巡り会えたので、シリーズ3製品の比較と互換性に注目しながらレビューしたいと思います。

Contents

Universal Audio Apollo Twinは初心者向け(?)とは一線異なる

高級オーディオの世界と同じく、オーディオインターフェースの価格の違いは、基盤や乗っているコンデンサーや搭載されているDSPになります。スペックが24bit/192kHzでも、価格が異なるのはそこにあります。

Universal Audio Apollo Twinには、UAD-2 SOLO または DUO コアプロセッサーというDSPアクセラレーター・ハードウェアが搭載されています。UAD-2 DSPがざっくり何かというと、グラフィックボードのメモリのようなもので、高性能なグラフィックボードであればあるほど、オンライン3Dゲームが繊細で綺麗にサクサク動く原理と同じです。

オーディオのアナログな感じを表現するには大量の計算処理能力が必要、処理に特化したDSPがUAD-2、というわけです。

また、Universal Audio Apollo Twinでは、UAD-2を活用したプラグインが充実しています。
ユニバーサルオーディオの公式サイトによると、

Ampex、Lexicon、Neve、Moog、SSL、Studer等*、数々の受賞歴を誇るUADプラグインにより、Apollo Twin USB が本物のアナログのトーンと暖かみを提供

とあり、現在約60のプラグインが発売されているそうです。Universal Audio Apollo Twinの凄いところは、それらを自由に使えるところにあります。

プラグインの豊富さは、一般的なオーディオインターフェイスとUniversal Audio Apollo Twinが一線異なるところだと言えると思います。

Universal Audio Apollo Twinで使えるUADプラグイン

Universal Audio Apollo Twinで使えるプラグインのうち、無償バンドルされているものは、

です。そして有償で販売しているものを全部リスト化してみると

プラグイン・バンドル

コンプレッサー & リミッター

スペシャル・プロセッシング

リバーブ

イコライザー

マスタリング

ディレイ&モジュレーション

ギター&ベース

チャンネルストリップ

と、使いきれないぐらい非常〜に豊富にあります。私は、マーシャル、ENGL、フェンダー、SSL、Neve、Moog、Lexiconぐらいしかわかりません(本当は一個づつちゃんと紹介したかったのですが、勉強不足ですいません)。
有償プラグインは1個99ドルから800ドルまでなので、無償バンドル版で慣れた後に拡張していくようなことができます。

要はUniversal Audio UADプラグインも、NativeInstrumentsやIK Multimediaと同じ、「プラグイン買ってね〜ビジネスモデル」なのですが、Universal Audioの場合は著名メーカーと共同開発ということで、高品質なのと、オーディオインターフェイスで高級アナログ機材をエミュレーションできることが画期的だと思います。

Universal Audio Apollo Twinのインターフェイス

Universal Audio Apollo Twinのインターフェイスはコンパクトな外観です。

アナログ入力がマイク/ライン兼用 x2、Hi-Zイン x1、アナログ出力がモニターアウト 1 & 2/ラインアウト 3 & 4、ヘッドフォンアウト x1、デジタル入出力がS/PDIFとADATオプティカルといった構成になっています。

私がUniversal Audio Apollo Twinで一番気に入っているのは、本体左下にギターのシールドを刺せる入力があることで、ちょっと仮にフレーズを録りたいと思った時にギターを挿せば直ぐレコーディングできてしまいます。

また、Universal Audio Apollo Twinは、中央にボリュームノブ、左右にボリュームメーターが配置されていて、非常にわかりやすいです。また、斜めに傾いているので操作しやすいと思います。

ほか、Universal Audio Apollo Twinのサイズは横15cm ×縦幅 5.7cm ×奥行 15.2cmとコンパクトで、重量は1.05 kgとMacBookAir程度の重さです。練習スタジオにも気軽に持ち込めます。

Universal Audio Apollo Twin SoloとDUOの違い

Universal Audio Apollo Twin SoloとDUOの違いですが、UAD-2プロセッサーが1個と2個の違いになります。2個搭載されていると、その分多くの処理ができます。重いプラグインを複数重ねて再生すると、PCが固まる原理と同じです。

音質には違いはありませんが、この手のプラグインは重く、動作が安定しないことが多いので、予算が許せるなら、余裕のあるDUOがいいんじゃないかと思います。

Universal Audio Apollo Twinの互換性、今後のUSB-C対応を見据えた購入を

Universal Audio Apollo Twinは、Thunderbolt版とUSB版があります。MacならThunderbolt版、WindowsならUSB版、といったような構成のようですが、Thunderbolt版もWindowsで動作するみたいです。

すでにご存知かと思いますが、2016年の新型MacbookProにはThunderbolt端子が廃止され、すべてUSB-Cになりました。そこでUniversal Audioでは推奨の変換アダプターが紹介されています。

過去にも比較的高級なオーディオインターフェイスには、USB接続でなく、FirewireことIEEE1394を使った製品が多かったのですが、Firewireが廃れてしまった今では、変換コネクターを探してもなかなかありません。

USBと比較して、Thunderboltはマイナーな規格なので、需要と供給の関係でなんだかんだでThunderboltからUSB-Cに変換するケーブルの発売はあまり期待できなないと予想しています。家電量販店に行くとUSB-Cが予想以上に売られているので、一度お店を覗いてみるとご納得いただけるかと思います。

と言いつつも、Universal Audio Apollo Twinは高性能な製品なので、今後USB-C版が発売される可能性は大ですが、USB-C版が発売され、現行製品が安くなった時にゲットして変換ケーブルで対応させるのが一番お得かもしれません。

Universal Audio Apollo Twinのまとめ

Universal Audio Apollo Twinは、単純にレコーディングするだけでは何か物足りない、もうワンランク上のレコーディングに挑戦してみたい方にオススメだと思います。

「有名な高級ミキサーやコンプレッサーをエミュレートした〜」と言っても、ぶっちゃけ有名スタジオのレコーディングエンジニアでもない限り、高級機器を使うことはないと思う(!)ので、有名無名にかかわらず、Universal Audio Apollo Twinを使って、プラグインをいじり倒してクリエイティブなレコーディング実験をしたほうがカッコイイと個人的に思います。

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