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【実機レビュー】ギターシンセBOSS SY-1はどこまで実戦で使えるのか。利用シーンで考えてみる。

BOSS SY-1

BOSSのギターシンセSY-1実機レビューです。バンドで使うことを前提に、SY-1はどんなシーンで使えるのか、何パターンか考えてみました。

Contents

「ギターシンセ」という甘美な響き。BOSS SY-1

ギターシンセ。ギターでシンセの音が出せる。なんか夢、ありませんか?(世代かもしれません。。。)

私はギターを始めた頃からギターシンセに憧れてましたが、まず機材が高価でしたし、専用ピックアップの取り付け改造など大変そうに思っていました。

こういうやつ(シンセドライバーGK-2)

いつかはギターシンセに挑戦してみたいなー、と思っていたのですが、SY-1はなんとBOSSのペダルサイズで登場してるじゃありませんか。しかもギターを改造することなし。SY1-1は価格が2万2,000円と、昔のギターシンセに比べれば格安です。ギターを長く続けていると、いいこともありますね。ワイヤレスもお手軽になってますし

なんで今、ギターシンセ? – BOSS SY-1

私はちょうど今、新しくボードを組んでるところで、今度ライブでやる曲で、コーラスとディレイで「深く散らす」ような音を作らないといけなくなりまして、ならば普通にやってもなんか面白くないので、ギターシンセを導入しようと安直にBOSS SY-1を購入してみました。

BOSS SY-1の使い方とプリセット

SY-1の操作つまみはこんな感じになっています。

SY-1は、コンパクトエフェクターサイズに機能がてんこ盛りなので、ステージ上でつまみをいじるのは難しいと思います。あらかじめ音を作り込んでメモしておくとして、せいぜい2パターンぐらいでしょうか。

一番左のEFFECT/DIRECTはで原音の割合を調整できますが、私の場合、ギターの原音を全く出さず、全てシンセ音に振り切る使い方にしたいと思います(多少遅延は感じます)。

左から二個目のTONE/RATE/DEPTHは、シンセのフィルターみたいなもので、つまみをグリグリ操作すると、アナログシンセと変わらないような遊び方ができます。ですが、当然ながらライブ向きではないと思います。

音色は11ジャンル各11種類あり、一番右のTYPEつまみでジャンルを選び、右から二個目のつまみで、種類を選びます。

音色リストはこちら(SY-1_sond_list_multi01_W)

TYPEは、LEAD1、LEAD2、PAD、BASS、STR、ORGN、BELL、SFX1、SFX2、SEQ1、SEQ2とあります。

LEAD1、2あたりはアナログシンセに近い雰囲気になります。303っぽいアシッドな音も出すことができますが、MINI MOOGのような太い音はちょっと期待できないかもしれません。

https://dtmnavi.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/sy1-5.mp3?_=1

やはりギターシンセとはいえ、ROLANDのアナログシンセが意識された音色になっているのではと、なんとなく思います。

https://dtmnavi.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/sy1-8.mp3?_=2
https://dtmnavi.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/sy1-1.mp3?_=3

BOSS SY-1をライブで使うならこんなシーン

SY1-1をライブで使うなら、多分こんな感じでは?といくつか弾いてみました。イメージとしてはバンドにギタリストが二人いて、キーボードがいないようなシーンを想定してみました(演奏下手ですいません)。

オルガン系1

https://dtmnavi.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/sy1-12_burn.mp3?_=4

ギターとオルガンの掛け合いで使えそうです。

オルガン系2

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シンセ系

https://dtmnavi.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/sy1-14_jump.mp3?_=6

キーボードがいないと、あの曲の雰囲気を出せない時に使えそうです

パッド系

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これも同じく、キーボードのピンチヒッターとして使えそうです

シンセベース系

https://dtmnavi.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/sy1-10_ymo.mp3?_=8

ベーシストが、シンセベースエフェクターを持っていない時に使えるかもしれません

ほかは、飛び道具的にSEとして使う、とかでしょうか。使える用途はあまりないかも。SFXやSEQは「お遊び程度」で考えておいてよいかと思います。

https://dtmnavi.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/sy1-9.mp3?_=9

フィルター効果もできます

https://dtmnavi.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/sy1-7.mp3?_=10

フィルター効果もできます2

https://dtmnavi.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/sy1-6.mp3?_=11

シンセあるある、アルペジエイター。アシッド感も出ます

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SE効果1

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SE効果2。これもよくありますね

https://dtmnavi.tokyo/wp-content/uploads/2020/03/sy1-2.mp3?_=14

SE効果3。これもよくありますね。一体どこで使うんだ

BOSS SY-1をうまく鳴らすための環境

SY-1は、やはり専用ピックアップを使わず音を解析処理するせいか、6弦の高音になると音が細すぎるので、音を綺麗に拾ってくれなくなります。プレーン弦が苦手かもしれません。色々試したところ、巻き弦の和音だと綺麗に鳴るみたいです。

おそらく、SY-1をうまく鳴らすにはキーボードのようにギターの打鍵音をフラットにする必要があるのでは、と思います。エフェクターはコンプレッサーでフラットに整え、ブースターをかけるといい感じになりました。

使うギターは、ハムバッカーが搭載されたギターの方が相性がいいかもしれません。

BOSS SY-1まとめ

BOSS SY-1を軽く試してみましたが、細かいセッティングは必要になるとはいえ、まさにシンセの音が出るので、それだけで感動モノです。実戦ではキーボーディストの代わりとして、近い雰囲気はある程度出せると思います。

しかし、もしBOSS SY-1を「キーボード」の代わりとしてではなく、「ギターシンセ」というジャンルを開拓していくとするなら、いろんな可能性があると思います。

私の場合、BOSS SY-1を一個の「シンセ」として使いたいので、BOSS SY-1の機能の半分も使わないかもしれませんが、これだけ音色が出せるとなると十分過ぎるのでは?と思いました。

今度はエレハモのSYNTH9を試して、MOOGやProphet5のような音を出してみたいと思います。


使用機材

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