モニタースピーカーYAMAHA MSP5 StudioとFOSTEX PM0.4nの比較レビューです。たまたまYAMAHA MSP5 Studioが安く手に入ったので、手持ちのFOSTEX PM0.4nと比較してみました。
FOSTEX PM0.4nも楽器を鳴らすには十分なモニターだと思いますが、YAMAHA MSP5 Studioは評判通り、音の分離が良いモニタースピーカーだと思います。
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YAMAHA MSP5 Studioの機能・特長
YAMAHA MSP5 Studioはパワードモニタースピーカー「MSP5A」の後継機種です。
公式サイトの商品説明では、キャビネットの形状から細部に至るまでユーティリティやデザイン等を向上しました、とあります。
12cmのウーファー(低音再生を担当するスピーカーユニット)と2.5cmのチタンドームツイーター(高音用スピーカー)が特徴で、それぞれアルミボビンとロングボイスコイル、磁性流体が使用されているそうです。
何のことやら全く想像がつきませんが、きっとすごい技術なんだろうと思います。
また、パワーアンプ部はウーファー専用に40W、ツイーター専用に27Wとそれぞれ独立しており、それぞれの帯域ごとに専用パワーアンプで増幅する「バイアンプ方式」が取られていて、濁りや歪みのないクリアでダイナミックレンジの広いサウンドの再生が可能、とあります。
つまり、一個のモニターにも関わらず、音の帯域にあった二個の独立したアンプを使用しているので音の分離がいい、ということだろうと思います。
YAMAHA MSP5 Studioの特徴的なカバー
YAMAHA MSP5 Studioは、あまり他のスピーカーには見られない、スピーカーに網状のカバーが施されています。
音がこもるのでは、と思うのですが、これによって防磁効果があり、パソコンなどの外部機器への干渉を防ぐそうです。うっかりコーンを潰したりすることもないと思います。
その実力が如何ほどなのかについては、購入したばかりなのでまだよくわかりません。
YAMAHA MSP5 StudioはHIGH/LOWの細かい調節が可能
YAMAHA MSP5 Studioはモニタースピーカーらしく、背面にLOW(4ポジション)、HIGH(3ポジション)のTRIMコントロールがあります。
スピーカーを配置する場所や音の傾向によって、細かい調節ができます。
FOSTEX PM0.4nとYAMAHA MSP5 Studioで再生
FOSTEX PM0.4nとYAMAHA MSP5 Studioで、シンセのサンプル音源と自前のループ音を再生し録音してみました。
余談ですが、最近はモニタースピーカーを複数チェックできるような楽器屋も少なくなったような感があります(昔は秋葉原のラオックスで色々試すのが楽しみでした)。
レコーディング環境は、写真にもある通り
- iRig ProI/O
- AUDIX i5
になります。
iRig ProI/Oは取り回しが楽で本当に便利だと思います。
某シンセのデモ曲
FOSTEX PM0.4n
YAMAHA MSP5 Studio
ableton LIVEとEZ DRUMMER2で作ったループ
(ベースは音の高低差が出るようバランスを考えず、わざと低音を強調して編集しています)
FOSTEX PM0.4n
YAMAHA MSP5 Studio
EZ DRUMMER 2は「easy」と名前が付いている通り、見た目的にもわかりやすく、音も豊富で気に入ってます。
AUDIX i5は楽器レコーディング用マイクのため、曲全体の音を収録するには音像がぼやけますし、各モニタースピーカーもインシュレーターを挟まず机の上にベタで置いてある状態ですが、それでもFOSTEX PM0.4nとYAMAHA MSP5 Studioの違いは明確に現れていると思います。
YAMAHA MSP5 Studioは音の分離のよさを感じます。FOSTEX PM0.4nは低音が弱く、こもっている印象を受けます。YAMAHA MSP5 Studioは低音が強く、高音と中音にハリがあるように感じます。
その原因は、YAMAHA MSP5 Studioに備わっている、帯域ごとに専用パワーアンプで増幅させるバイアンプ方式が効果を発揮しているのでは、と思いますが、そもそもFOSTEX PM0.4nとYAMAHA MSP5 Studioではウーファーのサイズが違うため、その差が音に現れているかもしれません。
細やかな比較対象としてはマッチしないかもしれませんが、違いは明らかに感じます。
YAMAHA MSP5 Studioの外観
YAMAHA MSP5 Studioの外観は、つや消し黒のプラスチック製で高級感があります。
サイズは
- 横幅が17.9cm
- 縦幅が20.8cm
- 高さが27.9cm
重量は
一台7.9kg
とパワードモニターということもあり、かなり重いです。
スピーカースタンドを導入する時は、重量に耐えられるかどうか、注意が必要かと思います。
インプットはXLRとフォーン入力端子があります。また、正面のボリュームつまみは、見た目よりも音量が細かく調節可能です。
YAMAHA MSP5 StudioとMSP3の違い
YAMAHA MSP5 Studioの小型版にMSP3というモニタースピーカーがあり、こちらも優秀なモニタースピーカーです。しかし、MSP3はウーファーのサイズが小さいせいか、音の分離感に欠けると思います。
過去に渋谷の某楽器店でYAMAHAのHS5とHS8を比較したことがあるのですが、音のクリア感は「別物」と感じました。
モニタースピーカーの決め手は性能もさることながら、サイズが重要かもしれません。
YAMAHA MSP5 Studioまとめ
YAMAHA MSP5 Studioは噂通り、高品質なモニタースピーカーでした。
これ以上のモニタースピーカーを求めるなら、ワンランク上のGENELECやADAM AUDIOになると思いますが、音の粗を探し、トラックをまとめあげるためのモニタースピーカーを求めるとするなら、分離感に優れ、クリアな音のするYAMAHA MSP5 Studioで十分なのではと思います。