YAMAHA PSS-A50ポータブルMIDIキーボードとAKAI LPK25、KORG nanoKey2の比較レビューです。
YAMAHA PSS-A50はサウンドハウスでも人気のMIDIキーボードで、しばらく品切れ状態が続いていましたが、私もYAMAHA PSS-A50をようやくゲットできたので、AKAI LPK25、KORG nanoKey2と比較レビューしてみたいと思います。
Contents
- 【実機レビュー:音あり】AKAI LPK25とKORG nanoKEY2比較
- 【実機レビュー:音あり】KORG nanoKEY2、省スペースMIDI鍵盤はKORG nanoKEY2に落ち着く
- 【実機レビュー】NEKTAR IMPACT LX61+
YAMAHA PSS-A50の特徴
YAMAHA PSS-A50は簡単に説明すると、ポータブルキーボードにMIDIコントローラーがくっついたようなキーボードです。AKAI LPK25やKORG nanoKEY2など一般的なMIDIキーボードと異なり、YAMAHA PSS-A50本体に42の音源と小型スピーカーが備わっています。
YAMAHA PSS-A50は音を鳴らすだけでなく、アルペジエイターや簡単なレコーディング機能も備わっているので、作曲のメモとしても使えるところが人気の秘密だと思います。
YAMAHA PSS-A50を開封
YAMAHA PSS-A50を開封するとこんな感じです。PSS-A50本体以外には説明書とUSBケーブルが入っていてシンプルです。
YAMAHA PSS-A50の機能説明
YAMAHA PSS-A50の画面はこうなっています。
電源音量調節、オクターブ切り替え、アルペジオ選択、音色選択と、見てすぐ使えるようになっています。ユーザーインターフェイスのわかりやすさは、ヤマハのポータブルキーボードの長い歴史が活かされているのだろうと思います。
YAMAHA PSS-A50のアルペジエイターについては、138パターン(うち117-138はドラムパターン)もあり、様々なパターンが楽しめます。好きなアルペジエイターでリズムパターンを選んだ後、MIDIで出力し、DAWに録音することができます。
YAMAHA PSS-A50の音色は42種類もあります。
YAMAHA PSS-A50にはモーションエフェクターという機能があり、A(音の明るさ)、B(音の高さ)、C(音の揺れ)の3タイプが10種類、合計30パターンを楽しむことができます。もちろん作ったフレーズはMIDIで出力し、DAWに録音できます。
地味にうれしい(?)YAMAHA PSS-A50のメトロノーム機能
YAMAHA PSS-A50にはメトロノーム機能があります。
私の場合、メトロノームはもっぱらスマホのアプリを活用していますが、YAMAHA PSS-A50のメトロノーム機能はフレーズの練習に便利かもしれません。
YAMAHA PSS-A50のバッテリー
YAMAHA PSS-A50はAKAI LPK25やKORG nanoKEY2と同じく、USB端子より電源を得ます。
YAMAHA PSS-A50はUSB端子だけでなく、単四乾電池4本でも電源を得られるので、YAMAHA PSS-A50単体でも動作させることができます。地味にうれしい仕様だと思います。
乾電池の場合、充電式で約15時間使えるそうです。
USBケーブルはA-microBタイプです。
DTM系機材のUSB端子もそろそろ全てType-Cに統一してもらいたいところです。
YAMAHA PSS-A50にはヘッドホン端子も備わっているので、深夜の練習もできます。これも地味にうれしい仕様だと思います。
YAMAHA PSS-A50でフレーズを作ってみる
YAMAHA PSS-A50の音色とアルペジエイターのみで簡単なフレーズを作り、YAMAHA PSS-A50レコーディング、DAWにレコーディングしてみました。
今回はYAMAHA PSS-A50に内蔵された音をライン出力してみましたが、もちろんMIDI出力もでき、アルペジエイターで作ったフレーズもMIDIとして出力することができます。
YAMAHA PSS-A50のアルペジエイターは種類が豊富なので、コード進行を綺麗に揃えれば、いい感じのフレーズが作れるのですごいと思いました。
YAMAHA PSS-A50のワークフロー
YAMAHA PSS-A50はAKAI LPK25やKORG nanoKEY2と異なり、DAW上でアイデアを試すのではなく、YAMAHA PSS-A50単体だけでアイデアを試すことができます。
電池駆動させるなら、PCから離れた状態でYAMAHA PSS-A50を膝の上に乗せたりソファーやベッドルームに置いたりして演奏することができます。
YAMAHA PSS-A50を使ったワークフローは、フレーズのアイデア出しの後、USBでPCと接続、DAWよりソフトシンセやハードシンセで本格的に鳴らして細かく作り込むような流れが良さそうに思います。
YAMAHA PSS-A50の外観
YAMAHA PSS-A50とAKAI LPK25やKORG nanoKEY2を比較してみると、これだけサイズが異なります。
YAMAHA PSS-A50の具体的なサイズは
縦:20.1cm
横:50.6cm
高さ:5.4cm
で、重量は
1.2kg(電池含まず)
です。MacBookAirと同じぐらいの重量感だと思います。
机の上に置いた時の広さを比較してみました。
KORG nanoKEY2を置いたデスクトップ
AKAI LPK25を置いたデスクトップ
YAMAHA PSS-A50を置いたデスクトップ
当然ながらKORG nanoKEY2やAKAI LPK25は鍵盤数が25と、そもそも両手で弾く想定がないので、コンパクトですが、YAMAHA PSS-A50は鍵盤数が37とギリギリ両手でも弾けるような構成になっていると思います。
写真を見てわかる通り、YAMAHA PSS-A50は机を占拠してしまうので、以前紹介したKORG nanoKEY2やAKAI LPK25のように、PCキーボードとセットで常に並べて置いておくことはできなさそうです。
YAMAHA PSS-A50は軽量なので、膝の上に乗せて弾くのにちょうどいいサイズかもしれません。
また、YAMAHA PSS-A50はAKAI LPK25のようにそれなりに厚みがありますが、角が丸く鍵盤数も多いので、さほど苦にはならなさそうです。
YAMAHA PSS-A50まとめ
YAMAHA PSS-A50は何も準備しなくても「押すとすぐ音が鳴る」「思いついたらすぐ録音できる」ので、とても便利なポータブルMIDIキーボードだと思います。
YAMAHA PSS-A50に備わっている音源もスピーカーも音はぶっちゃけチープなのですが、音色やアルペジエイターなどの機能も豊富なので、作曲アイデア出し用途には十分なんじゃないかと思います。
AKAI LPK25やKORG nanoKEY2の場合、ノートPCやiPadの「付属品」的な扱いになってしまいますが、YAMAHA PSS-A50の場合、YAMAHA PSS-A50単体だけで様々なことができてしまいます。
機能豊富なYAMAHA PSS-A50にさらに望むことは、4トラック程度のシーケンサーも内蔵してほしいと思います。
YAMAHA PSS-A50をチープなキーボードと考えるか、作曲便利ツールと捉えるかは使い手によると思いますが、私の場合は後者です。もちろん、子供のおもちゃ向けのチープなキーボードとしてもYAMAHA PSS-A50はアリかと思います。
海外コロナや半導体不足の影響もありますが、在庫が切れた状態が続いていたのには、わけがあります。YAMAHA PSS-A50が人気で支持されている理由も何となくわかりました。